bitについて
はじめに
パソコンが普及し、携帯端末までコンピュータ並みの性能を持つようになりました。
専門用語であるはずの "bit" も、一般に溶け込みすぎてしまい、知識のない店員の説明にも使われるようになりました。
「ビットって何?」・・・と、聞かないのかなぁと思いながら隣りで聞いていると、その説明で客も納得していたので、もはや「当たり前」のものになったのでしょうね。
生活に浸透するのは良いのですが、誤解したまま広く受け入れられるのも問題です。
「カロリーが高い」と言ったことや聞いたことはありませんか?
どこが誤解なのか分からない方もいらっしゃることでしょう。
カロリーは単位ですので、本来高いと言うべきものは「熱量」のはずなのです。
「グラムが重い」とか、「メートルが長い」などと言うことには違和感を感じるはずなのに、「カロリーが高い」という言い方は、ほとんどの方が違和感なく受け入れられます。
逆に、本来の「熱量」の方が違和感を感じてしまうくらいです。
「ビット」が当たり前のように使われるのは別に悪くないのですが、誤解を伴って広まることの無いように、基本的な部分くらいは理解しておきましょう。
では、そもそも「ビット」とは何なのでしょうか?
その辺りからお話ししていこうと思います。
ビットとは・・・
「ビット」とは、「動力炉と推進器を備えた遠隔操作型の砲台で、エルメスなどが使用する」とあります。
この文面で、ピンとくる方はアラフォー世代に多いらしいですね。
ガンダムネタはこれくらいにしておいて、ウィキペディアを見てみましょう。
当サイトのこのページを読んでいる方は、「知るため」に読んでいる方がほとんどだと思いますが、このウィキペディアの文面で理解できる方はあまりいないと思います。
このウィキペディアに出てくるキーワードを基に、説明していきます。
キーワードはいくつかありますが、そのメインとなる2進数から始めます。
2進数
私たちが生活する上で使っている数字は、「10進数」です。
この「進数」というのは、「数が進む」と書きますが、「進む」というのはどういうことなのでしょうか?
この「進む」という言葉が意外と重要で、この場合「桁が上がる」ことを意味します。
だから、「10進数」は、9まで1桁で、10で2桁になるんですね。
別の解釈をすると、「1桁でいくつの数を表現できるか?」ということを表します。
私たちが普段使っている数字は、1桁で9まで表すことができますので、9進数じゃないの?という声が聞こえてきそうですね。
確かに、モノを数える時は、1から順に数えますが、いくつの数を表現できるか?ということですので、大事な大事な「0」も含めなければなりません。
したがって、10進数に1桁で表現できる数は、0~9までの10通りということになります。
そして、2桁目の数字には101、3桁目は102というような「重み」が付けられます。
それぞれの数字とそれぞれの重みを掛け、合計したものを1つの数字として読んでいるはずです。
では、2進数はどうでしょうか?
考え方は、10進数と全く同じです。
2進数ですから、1桁で表現できる数字は2種類です。
その数字は、0から始まるので、「0」と「1」の2種類ということになります。
0,1と数え、2はどうなるのか?ということですが、1の次はないので、その桁の数字は0に戻り、上の桁の数字が1つ増え、「10」となります。
これは、10進数の「9」と同じ状況ですので、文字だけの説明でも理解できるかと思います。
2進数で数えていくと、以下のようになります。
0 → 1 → 10 → 11 → 100 → 101 → 110 → 111 → 1000 →
2進数は、「0」と「1」だけで表現しなければならないので、すぐに桁が増えてしまいますね・・・
なぜ2進数?
では、なぜ2進数なのでしょうか?
その答えは簡単で、「電気的に置き換えやすい」からです。
この「電気的に」というのが次のポイントになるので、これも掘り下げていきましょう。
簡単で良いので、電気的なものをイメージしてみてください。
電球で例えると、「0」がスイッチOFF(消灯状態)であることを示し、「1」がスイッチON(点灯状態)であることを示すと考えると、とても分かりやすいのではないでしょうか。
電気というものは、電圧がかかっているかいないかでその状態が大きく変化します。
電圧がかかれば(電位差が発生すれば)電気が流れ、接続された電気機器に動力源が供給されます。
その電気機器が電球であれば、点灯するという訳なのです。
このように、電気的にどちらかハッキリしている状態を、数字の0と1に置き換えることで、人間が理解したり応用したりするためのお膳立てが容易になるのです。
2進数がどうした???
2進数と電気と対応させたところで、一体どうなるというのでしょうか?
これまでは、容易に想像できる電球で例えることで、2進数を導入しただけなので、「単なる置き換え」でしかありません。
2進数を導入しても、1桁だけで考えていたところで何も進展しないので、この2進数を2桁で考えてみましょう。
1桁では、0と1の2種類の数字が表現できましたが、2桁では表現できる数字が何種類になるのか考えます。
これもイメージするのは難しくないと思いますが、以下の通りです。
「00」、「01」、「10」、「11」
この4種類ですね。
2桁の2進数を電球で考えると、「電球を2つ並べた状態」となります。
視覚的に表現すると以下のような感じでしょうか。
時代を考えて、LEDにしてみました。
さらに拡張すると・・・
では、3桁の2進数ではどうなるでしょうか?
考え方は、2桁の場合と変わることはありません。
最上位桁が0の場合の4通りと、1の場合の4通りの、計8通りとなります。
これも、視覚的に表現してみましょう。
電球1個では、2通りの状態を表現できました。
電球2個では、4通りの状態を表現できました。
電球3個では、8通りの状態を表現できました。
この流れでいくと、電球4個では16通りの状態を表現できそうですが・・・その通りです。
4つ目の電球が消灯時に8通りと、点灯時に8通りあるので、あわせて16通りになります。
電球5個でも、同じように考えて、32通りになります。
電球が1つ増えると、表現できる状態が2倍になる訳ですね。
数学的には、2の累乗で求められます。
電球1個では、21=2通り。
電球3個では、23=8通り。
電球5個では、25=32通り。
電球10個では、210=1,024通りとなる訳です。
よく、「指折り数える」と言いますが、電球10個を指10本にそのまま置き換えてみましょう。
指を曲げているか曲げていないかで、2進数の0と1を表現すると考えると以下のような感じになります。
この状態を2進数で表すと、1011001111となります。
ヘタクソな絵ですが、指を曲げているか否かの違いが分かれば良いので、助かります。
これこそが「デジタル」なのです。
ちなみに、手のひらに「て」と書いておきました。
デジタルとは・・・
指折り数える話で、「これこそデジタル」という言葉を出しましたが、何が「これこそ」なのでしょうか?
ここで、「デジタル」をWikipediaで調べてみると、「連続量を表すアナログと反対の概念で、とびとびの値を持つ」というような説明があります。
相変わらず分からない説明ですね・・・
簡単に言うと、はっきりと区別された状態で表現できるものは、すべてデジタルです。
例えに使った電球も、点いているか点いていないかがハッキリしているので、デジタルと言えます。
最後に持ってきた例ですが、曲げているか曲げていないかで、その状態がはっきりしますので、指もデジタルです。
実は・・・デジタルの語源は、ラテン語の「指」なのです。
色々なものが繋がってきましたね。
もっと繋げていきましょう。
digitは「指」という意味ですが、2進数を知ることで、「桁」という意味があることも理解できると思います。
電卓にさりげなく記載されている10-digitsという文字にも目が行くようになるかもしれません。
ここまで書いてから引っ張り出してきた電卓にも、しっかりと記載されています。
12Digitでしたね・・・
ですので、しっかり指を曲げているか?とか、指が汚れていないか?とか、とにかく曲がっていれば。
今思うこと
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- はじめに
- ビットとは
- 2進数
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